2011-03-23

単行本が発売になります。

今日、午前中に家に献本が届きました。
拙著「虚数霊」3巻、一応本日発売です。
連休をはさんだせいもあるとは思いますが、
いつもより数日は献本が遅いかも。
出版社から印刷会社へ仕事が渡った段階では
問題のない進行であったと聞き及んでいます。
ただそのあとに震災に見舞われ、
一時的な物流の混乱による紙の調達や、
印刷機の調整もありましょうから、
そこから予定の日に刷り上るか、
さらには物流のマターとして印刷物を行き届けられるのか
という問題はあったと思います。
でも間違いなく僕の手元に出来上がりがあります。
物流の関係で若干の遅れがある地方もあるのかもしれませんが
首都圏の主だったところでは今日には予定通り店頭に並ぶはず。















ゲストイラストを寄せてくれた希有馬っちこと井上純弌っちゃんの絵は
実は出来上がるまで見ていなかったので、
カバーをめくって見て、大爆笑。
いやいやさすがでありました。
若い中国嫁をもらってますますエッチに磨きがかかる40男のリビドーを感じます。
大感謝!
カバー画はなんだかちょっとオレンジが強い気もするけれど、まぁご愛嬌。
デジタルの彩色は結局は本当がなくて、常に相対的で虚ろなものだから。
本編は前にも触れたように、ほぼ全頁になにかしら手を入れてます。
連載時のものをお持ちなら、比較すると楽しいかも。(間違いさがしみたいに)
今回は連載を畳む方向でという方針が出たこともあって、
いつもなら短かいエピソードを挟むところを
1冊で大きなお話になっています。
その意味では流れのある読後感があるかもしれません。
登場するキャラクターの多くは
僕の知人友人から容姿や名前を拝借しています。
連載の最中ではあまりキャラの造形に時間が使えないので
ついついそうなります。
中には小学館クリエイティブの編集をしている大学の後輩が
「僕も出してくださいよ」というので描いてます。
担当編集さんの大のお気に入りにして「虚数霊で一番カワイイ」と言う
薫夏ちゃんも友人のお名前です。(素敵な名前でしょ)

「虚数霊」は大震災で放棄された首都が舞台で、
くしくも東北一帯がこんな大きな災禍に見舞われ
それに重ね合わせて、お声がけくださる人もおりました。
このお話はあとがきにも記したように
いくつかの要素が自分の中で結びついて出来上がっています。
その一つはやはり95年の阪神淡路震災の折、
災害ボランティアとして現地に入ったときの経験、
そしてその後にも何度も訪れた神戸の姿や人を通じての想いがあります。
先日、編集部と連絡をとった際に
被災地へ向けて応援のメッセージとイラストを寄せて欲しいと依頼を受けました。
頑張ってとありていの言葉を向けるのは
嘘ではない気持ちだしそれでよいのだと思うのですが、
なんだか自分の中では、あの予期、神戸で受け取ったもの
罹災した人と応援する人の双方の気持ちに届くものでありたいなと考えてしまって、
そのまま唸って手が進まなくなってしまいました。
でもようやく自分の中で言葉がみつかったので
そこに絵がつけられそうです。
そして本作三冊、残念ながら物語半ばで、寂しい結びで綴じてはいますが、
この中でもそんな想いはこめていますので、
いくばくかは感じて貰えるように願っています。

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